小説は何かと聞かれて
人生の残りカスだと答えた
いつも子どもの生活では
同時にいくつもの物語が交錯して
いくつものおいしいものが同時に飲みほせて
たった1つの物語しか一度に進まない小説は
僕には退屈そのものだった
今1つの物語だけしか残せないとしたら
同時にいくつも並行する世界に
住んでいた時代が終わるなら
僕はたった1つの
どの物語にソフトランディングしようか
そんなことを強いる時代の
ある貧しさや、不器用な弱さ
数少ない変わり者だけが
抗って浮沈している
まだ千年は先の空を
遠くに仰いだ