残響

この世界には心ではないものが
たくさんあるようで
それがいかにも自然なことのようで
そのことを忘れたり、見過ごしたりして
当たり前の今日をみな生きている

1本の木ですら
こんなにも僕に微笑んでくれるのに
彼らにはその微笑みが、もう届かない

この石垣の重くて静かな知性に
目を止めることもできない

心は外に移せ
寄り代をえよ
誤った依代は
人を誤った形に変える

一羽の鳥が空に羽ばたくだけで
今日も誰かを少しだけ健康にする

ここに至って論理は無粋
生き物の正しい未来は
この種の賢さにゆだねられている。

風物に心を預けるとき
その精細で、絵に書ききれない色彩を
心のうちに、余さず描いている

その多さは、
すでに、心の多さ

池に撒かれた小石の数だけ
波紋が広がるように
周りで広がるものがある

風の中に秩序をつなぐもの
僕らをつなぐものの
その最初の形

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