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己で持っていながら、 己だけでは持ってい

眼前の存在 足下の石ころ 顔を撫でる風

生活の中たくさんのものを そぎ落とされて

目の前の雨と、昔の雨 並べて見れたら き

言葉では速度が間に合わぬ 人間同士の本当

われわれがその真価を、 情によってのみ測

野にある鳥に もし沈黙を強いるなら どれ

芸術に通じるような 味のあることは思いも

世界が香りを失えば ひとの思考はのっぺり

ペンキがはげて、古い感じになって たとえ