天地同根

われわれがその真価を、
情によってのみ測りうるものがある
川や大地の背後に流れるような、
ちゃんと厚みのある情でのみ
触れられるものがある

全きものに触れれば、善性は宿る
天地の性を生きろ

つらいのを聞くと辛い
明るい話し声を聞いていれば楽しい
ちょうどそんなふうに
真理を目にするひとは、真理を解す
そして自然はそれ自体に真理を宿す

万物は今も、君の目に鮮やかか
幼い頃のような、感動はあるか
鮮やかに移ろう世界こそが、
きみのこころの色彩だ

草木の呼気をもって
己の生気を養え
太陽に滅菌された、真昼の生気を宿せ

花一輪、一つの葉が語りかけること
暖かな日差しもまた同じ
包み込むような風に満ちる、
たくさんの命の気配
たった1つの石の中にも
限りなく平静で
憂いの影を宿しながらも、
健康で快活な
全き理性が映り込む

いくら汲んでも底がなく
誰かに強いることもせず
それでいて心を許したものに
言外の優しさ、
言葉の後ろについての
本当を教えるもの

心の中の静謐なものは
無数の木の葉の騒めきや、
流れるように、変わっていく影の濃さや
季節の匂いを運んでくる、きままな風がつくるもの

何もないことは 科学でいえば静寂
反面、われわれの内にもたらされるものは乱雑さ、絶えぬ騒音

かえって移ろい騒めくもののなかに
しまい込まれた静寂が
己の中に同質の、静かな宮をつくる

夕べのように静かに優しく
広々と、慈しみ深く
豊かな気配で微笑んでみよ
川のように躍動しつつも、泰然としてあれ
小川の中、すこし濡れた石が
悪戯っぽく照り返すような、遊び心をもて

内奥の豊かさについての知恵が
自然のなかに捨てるほどある

誤魔化しのない善
真理の一面的であるもの
万象がその背後に映しだすもの

存在を貫いて全きことを語る
言外の言葉をみよ

虹の色を喜ぶように、
一枚の葉の芸術の高さを貴び
その背後に、ひとびとの求めてやまない理性のすがたを
ただしい憧れを見るよう

絶えず伝えられているその印象を
ひとに言わなくたっていいから
己のうちに復唱していろ

善のことばは、言語よりも広い
幼いころに近いところ
自然の纏う表情の諭すところ

抜け殻の、青白い微笑みよりも
走り回って遊んだ子供のころの
真の精彩を帯びた優しさをもて

心ゆくまで万象のなかで憩い
よい目をしていろ

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