濁流

文字にすることは
思考の呼吸をみだし
同時に進められるはずの
奥深い知性の建設を阻む

見ることと思考することと
話すことと触ることと
すべてが同時になされ
それゆえ統一的な
ひとつを濃くさせる

今は何も考えずにみていたい
賢しさよりも単純に
風景は全てを語る
全てを語るものと
言葉をかわせ
人間の言葉など借りずに
そこに佇んでいるとといい

嬉しい水の匂いがする
眼前を濁流が流れていく
視線が川の小山を撫でる
手をのばしたり
近づけたりするように
そうすれば
分かるようなこと

生まれた時から
すべての動物がしている会話
静かな感謝と
力強さと、
しぶとさと
生きるために必要な知恵の
全てをくれる

映像よりも
言葉よりも
多次元なもの
1つに繋いだ全体を
温めるように
肥やすもの

 

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