チリと贈物

チリがたまる
信号の雑音のように
頭の中にもチリがある
動かないで過ごしている時

チリを払う
運動でも
良い行為でも
良い思いを抱くことでも
求める何かへの専心でも
チリが払われる

汚れが払われる時
聞き取る力が増える
自ずと心が動きだす時
幸せが増える

肌をなでる風がわかり、
花の瑞々しい命が見えて
月が凛として楽しいのは、

余計なチリを払う時
邪魔な思いが占領すると
静かなものを見逃している

お金のこと
誰かのこと
自分を整えない何か

それよりも今の風をきき
景色の中の、たくさんの今日の印に
目を向けて見るといい
そのままに見て、味わうということ
そんな余裕が
優しい心の置き場所になる
そのまま誰かを包みこむ
静かな視線のその中に
円かな知の形が潜む

情と意と体の結び目が
花一輪、石一つ
命と大地の額の皺に
優しく揺り起こされる時

聞こえるものがある時
見えるものがある時
人へ贈れるまことができる
偽りのない優しさと
正しい強さと

世界の中の
綺麗なものを
見つけられる目
善が形になる前のかたち

その静かな目の中に
風景を通して
心が動きだす時

世界があなたに置いていく
余韻のような確かな形
満ちているもの

1番の、優しさと
1番の、言葉と
1番の、目の色と
1番の、声の調べと
1番の、命の流れのような
1番の、見えない光のような

誰かに届いて
誰かを満たして
まだ見ぬ幸いを描いてゆく
そんな素敵な贈り物

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