こんなに嬉しいことはない
草花が息を吹き返しているじゃないか
葉の上には小さな雫が煌めき
池の波紋は悠々と
己がリズムを乱さずに動く
全てが鮮明に見える時
覚醒のための頭が
半分から1つに
1つから3つに増える
この体の中に勢いをもたらす火が灯り
世界の姿と握手をするように
また強くつながる
あの杉苔の小さい棘の一つ一つの
際限を知らない美しさよ
カエルの雨宿りするための葉の
濃い緑で塗られた色は
自身の命を周りへ示すことへの
少しの不自然な遠慮もせずに
生来の聡さを誇る
全ては前を向いている
紅葉も石も
空間を埋める健康な光も
絵の背景のように、白くて明るい空も
世界の重さを軽やかに歌う
それは人を目覚めさせる重さ
雨の直線が静かに続く
この清いものと善なもの
それを支える統一された力
静かなものが
目を覚まし
目を開き
私と共にある
私の中にありながら、
世界から招かれたものが
私に備わる
電波とつながって画面が映るように
世界とつながって初めて映る
2次元の世界ではなく
3次元の世界を頼りに
次元の数の向こう側で
世界を映す
世界の厚みを受け取って
己の厚みに映るもの
共鳴し、引き出され
或いは生まれる
この空から現れた雨粒のように
どこからともなく現れる
この世界のこの場所の、必然の恵として、
己になかにあった力として
それらを一つのものとして
2つが合わさる全体を
1つの風貌とするものが