武道が進めば
体幹が
丹田が
全身の筋肉が
理にかなった場所に
位置づけられる
何の理にのもとになるのか
少なくとも僕らの心が
最も強く
最も幸せで
霊と結んで
あるために
緻密に位置づけられてゆく
筋肉の位置づけと
心の位置づけと
それらを全てひとつにした
全体として整うのだ
道徳はいつの時代もあるけれど
正しさを、みな言葉で語る
その理想については
まるで謎かけのように
哲学者は、大地の徳といい
僧は、山河大地を指した
目にし、それを宿したときに
身中に、それを宿したときに
言葉は後から現れる.
新たに見つけたものとして
その外側で言葉が実る
何百年も前の人が
贈った言葉と同じ言葉
最善の理想は
時代も人種も言語も越えて
何度でも現れる
武道は一面、徳の文化だ
使いようによってはもちろん
最悪の無礼になるだろう
けれども心ある人に使われる限り
良いものを宿すための入口
よい哲学を支える助言者
心臓にかわり全身に暖かい血を巡らす
第二の臓器になるだろう
理性を広げ
覚醒を促し
不純物を断つことによる
何かに目を瞑ったままの覚醒を選ばず
雑音も何もかもひっくるめて
ちょうど晴れた日に
外で風に黄昏ているように
命のままの形で
自然の形で
祖先の霊を失わない形で
ひとを整える
自然も動植物も、
その設計図の通りに生きる時、
ある不思議な知恵を得る。
言葉は、録音されないままで、
外から内から、あらゆるスピーカーから溢れてくる。
自然と身体の間に保存されている
ある消えないもの
呼吸せよ
血を取り戻せ、
身体の局所を見過ごさずにいろ
植物に自然があるように
動物の自然にも、学べ。
体の中の音を聞け。
自然の小さな声が聞こえるまで。
大地に撒かれた徳の種が見えるまで。