水面はどこにいても平静だ
祭りの喧騒のなかででも、
ひとのつくる乱雑な文化が
町を一色に染めていても
やはり威厳も保ち
情感豊かに
祭りの喧騒とはかけはなれた
己が情感を保つ
後ろに聞こえる三味線と歌
笠を被った坊主のような男の袖からは
藍色の刺青が覗いている
背中の紋は豊臣か
今宵は祭り
人の機嫌も
ライブの新鮮さも
たいそうよいが
街の流れはどこか必ずよそよそしく、
川底を映しながら川面のたゆたい流れていく様が
まるでそこだけ哲学者が口を開いたように
質感が濃かった