色彩の美

白や灰や黒
壁や服を単調さで染め上げて

自然はその中に入りこむことも
息をすることもできない

自然の表情の上に遊んで
息を継ぐべき人の心も
灰色や黒の単調に染まり、
孤独や不満が広がりだす

精神で精神を描こうとする限り
孤独も不足も影のように離れない

壁に反射した光が、
照らされたものの色に映えるように
世界の千万の色彩が
心の彩りを変えてゆく

心まで美しく染める
色彩の入り口
ある連動と波紋
そんな色彩の因果を忘れてはならない

世界の色彩を忘れた心は
背景をサボった絵のように安い

花の色、
刻の色
雲の形
水の気配
目に映せば即座に
優しい心を味わい知るように

色彩と質感に遊んでいる
静かで豊富な知性を
情の色彩の粋を垣間見る

そういう文化を
描いてゆかなければ
常食事するように、
よい味を、かかさずに生きよ

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