夜と闇

目は昼には昼の栄養を食べ 
夜には夜の栄養を食べる

朝の光の中の
自然な覚醒に導くもの  
真昼の光の中の
昼の力を呼び起こすもの
 
そして夜には暗闇も食べて
目の後ろに流れる血脈を
せき止めずに、あるべきように流し
心の底に、夕凪のごとく静けさを与え
体に再生に向かう力をめぐらせる

目は夜を食べる
その暗闇を瞼越しに
あるいは目を開いていても

その暗闇を撫でるように
その目で触れて
暗闇に
頭を撫でられているように
安らいで
そんか時間のなかで、
体は夜を宿す

ちょうど食事が
明るい間は栄養になり
暗くなってからは毒になるように

光もまた明るい間は栄養で
暗くなってからの、闇を払う光は
目にも、その後ろの
心に近い場所にも
それに続く全身の細胞にとっても
平静を破る
毒になる

暗闇を食べるといい
暗闇も見るといい

言葉になるもの、見えるもの
それだけが真実ではない

体だけが知っている、真につながる入口
優しい暗闇と 夜に語らえ

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