帰り道、野球部の男子たちの集団が
いい顔で口々に挨拶して
絡んでくれた
楽しくてぼくも
十分に大きい彼らを
あやすって言ったら変だけど
その豊かなたましいの良い力が
己の力で膨らんで
もっと大きく動くように
そのほんとうの根っこに
目の窓から、
声の間から
遊ぶように、
遊びながら、
揺らして
しっかり揺らされた
なにげない今日の邂逅に
心からの敬意で、
あなたがたに幸せのあることを願う。
みんな形を持っている
やりとりのなかで
初めて見えてくるかたちを
言葉や目の中で
お互い押し合ったり
小突き合うようにしながら
膨らんだり引いたり
止まらず流れ、
脈を持つような
器のように
くっきりとしたものを
相手の目のなかの形を
互いに交わしている
嬉しい気持ちの
飛び跳ねるような
明るい生命力で豊かな
十代のもつ人柄
触れたものの厚みと
背後のたくさんの意味が
言葉よりも豊かに、確かに
押し寄せて
ぼくの中にも
同じかたちを刻んで行く
対峙するための
弾力のある己が目を開けて
目のなかに楽しげな光を
チロチロと灯しながら
さっきまでより
少しだけ分厚くなった
己のなかを生きている
これを持って
明日へと行きたいな
だから今日は
温かい風呂に浸かって
思い返しながら眠ろう
光に応じるために用意した
光を願うために宿った
必然に現れたもの
あの優しい濃いものの影を
味わいながら眠ろう
やりとりの命が
幸いの写し絵が
智へすら続いた嬉しい道が
この体の体温の一部になって
少しでも多く留まるように
この皮膚にまとってゆける様に
血管を通うように
明日からの
私にもあるように