疲れた日、
炎症に薬を塗るみたいな
雑な音の混ざった音楽に身をひたす
甘いものを欲するように
油濃いものを食べるように
静かに、
あの桜の枝が、
風に揺れてみせる時
僕に残していく
静かで行き届いた気持ちを
生活の雑音が突き崩そうとる
子供の頃、抗がったもの
大人と決して共感できずにいた
酒や音楽や、甘いもの
ひび割れた皮膚に塗り込む薬みたいに
怪我のない人には価値のないもの
あの静かな夕焼けを
1日外で過ごしてから仰ぐとき
決していらないもの
傷を前提に用意された薬が
皮肉にもキズをふかめる
満たされることは
穴を埋めることではない
望んだ選択と行動の助けで
何か新しいものが
まだ明確な形はなくとも
絶えず創造され
躍動しながら
宿ること