高瀬川

運慶が仁王を彫ったように
夜の高瀬川が私に刻み込むもの
窓の外、キラキラと乱反射しながら
漸次に表情を変えていき
ときに笑いかけ、
深淵な哲学について
落ち着いた仕草をもって語る
じんわり広がるような
幾重にも重ねられた情操が
夜の色彩を通って
僕の頬まで届く
静かで強いものを
刻みつけて行く

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