窓の外、庭に通う静寂は
変化を含みながら、煩くもなく
同じ静寂を見るものに移す
点ではない、一筆書きに描き出される刻が
連綿と続いていく
確たるものの心象を伝える
日ごとに新しい表情が、
頭のなかの目を開く
同じ気品と思想が、
本よりもずっと生きた知識が
歪なものを排した真の根が
理性と世界の
2つの邂逅に宿る
良い庭は、心に資するもの。
整い、雑音を納め切る
大きな余白を持っていること
それは人の理想。
手の届かぬ太陽のように、
身体の医学は進んでも、
この自我の研究はあまり進まない
言葉で伝えようとする試みは
殆どことごとく失敗に終わったが
自然はいつも失敗を知らない
その試みを知られることもなく
けれども知らせないままに
今日も人を憩わせるのは
嘘のない優しさのため
ある内奥の運動不足
生活規則に耐えかねて
同じ色に染まりたいと願う
誰かが今日も、
その木々や、空や、川や、風に
心を遊ばせて憩う
同じ色になって遊ぶ