濃すぎない味
騒々しくない食卓
思慮は形をになったものも、
未だ形をなさないものも
縦横無尽に、
そのものの背後に流れている
体が止まっていても、
立っていれば働いていて
あらゆる体の連動と、
体幹を鍛え続けているように
起きているかぎり、
練られつづけている。
今日のこと、明日のこと、
様々な印象の色彩が、刹那に舞い戻り
その続きを描きながら、流転する
その奔放な働きが
いつしか誰かと笑い合うことに
物事を区別することに
真実を正しく捉えることに
人知れず通じている
淡い味、濃すぎない味
静かなとき、笑いが多すぎない時間
時の余白、多すぎない刺激
日常に潜む
程よい静けさが、
その隙間に生かして
守っているもの
その場所で
培われた力が
外側から乱されず
話す言葉の後ろ側に、
ある魅力を纏うための
豊かな部分の力を生んで
1日に味わった
上品で清閑な時間の
積算が運ぶ、
ほんとの福を招く