木陰

木陰にひととき
風を受けて安らげば
思いが整い
精緻に流れ始める

良いものを食べ
腹が安らげば、
想いが整い、
流れ出す。

鼻や肺に
届けられた空気が、
直接に、
あるいは血の巡りや
あるいは筋肉の調子から
空気の味になる

思いを交わせば
思いは賦活されながら整い、
自他の知らない水面下に
血や筋肉を入れかえる

体を動かせば
体内に円滑油のように生まれた
命の甘露もまた、
内腑から思いを丸め

風雨の音
日月や、
水や土のような
もっとも古い時代から
無数の心象を
人間と交わし続けたものが
知の最奥の秩序を招く。

人の心は、いつでも心で完結せずに
たくさんの良縁に支えられて明度を保つ

 だからこそ、
 気をつけていなければならない  

食も
ひとも、
空気の味も、
適度に体を動かすことも

全部が己がなるための
透明な因なのだから

十全なものを得て
子らの正しい憧れであれ

闇も光も
人の手が作る
今を良いものに
していけるように

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