天啓

淡く染まった空
優しい気持ちの人が
あの色彩のキャンバスに
優しい眼差しを投げかける

薄桃色の日暮が
あちら側の気持ちを
贈り返してくれる

やさしいひとに許される
やさしいひとに開かれる

1つの高みへの階段
ひとがひとから感じうる
尊い場所へと繋がった道

それは笑顔のように
投げかけたものよりも
むしろ豊かになって
返ってくるもの

優しい空の色が
優しいひとに伝えていく
耳に聞くことを許される
ある黙示

風呂にゆっくり浸かったあとに
たくさんのよい思いを抱きながら
無数の良い徴を聴きながら
始まりから終わりまで
眠るときのように

体の奥底からよいものが
淡い空につられて現れて
体と心を染めてゆく

こんなにも含みのある意味を
ひとはまだ描いていない
十全のものを描くには
記号である言葉は
あまりに雑だから

芸術が想念を走らせるように
数多の理想のきっかけが巡る

 抹茶のように
 味に途切れのないもの

 和紙のように
 その上に描かれる想念を
 連綿と深めさせるもの

汲み尽くせない水源のような
空の色に染められている

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