文字のない書

見えるひとには
自然の表面に浮かぶ文字こそバイブルで
見えないひとにも
誰かに対する善意と、
それのもたらす運命こそがバイブルだ

二つは一つのものの  
別の側面に過ぎないけれど、
まだその一つを明確に知り得ず
染まりかけの布が、水にぬれて色を滲ませてしまうように
ふとしたことで、己の綺麗な色がながれ出してしまい
いまだ強く留めきれていないものには

誰かに対する良い思いこそが、
常にそのバイブルの文字を
浮き上がらせる手段になる

誰かのために生きてゆけ
眠っていた己が現れる

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