初秋、空間に染みたるもの

鈴虫の鳴く声
秋の涼しい風
子供たちがはしゃいで笑う声
布に水がしみていくように
この空間に満遍なく行き渡るものがある

それはすでにそれを感じる己でもあり
未来に形をなす
善や情や行為のもとを彫刻する
あるしじまのうちに

いま、この虫たちの声のする
吹き渡る風と
川と樹々の匂いと
空間に満ちる何かと
そんなないまぜを食べている
この身の中に

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