柔らかい風が吹き
遠くから水滴が落ちる音がする
枝を揺らす木々
歩き出しそうなカエル
敷き詰められた
小さな石や大きな石
そこここに
泰然と表情を深めて
時とともに日は陰り
光の色を変えながら
すべてにその色を重ねていく
それらがえぐり出す
ある変わらないなもの
おのずと目が開き、耳が開く
庭に向かい座して しばし黙す
大きな葉の下には石地蔵 手を合わせ
つられるように 幸せな色の血脈が巡る
過去と今と未来を
軽々と貫いて鳴り響く
高く鋭く 優しく音
滴が、静かな水面を鳴らす
いつまでも 聞き入っている