駅の改札を出ると、子供が花を摘んでいた
その子の母親が来て、取ってはいけないと叱っていた
それは本当になんでもない場所のなんでもない花で
摘んでも誰もそれを咎めないだろうに
子供は自ら内奥を豊富にするものを知っている
それで花があれば手を伸ばす
美しきかな 幸いなるかな
その本性は とどめられねば
強くて聡いものへと向かう
もうその手段をしっている
自浄作用 磁石のように
ひとの心が何千年かかかりながら向かう
未来の理想をしっている
それなのに、
どうして周りはとがめるのだ
いつのまにかあの子も
理想を阻まれ、ひび割れて、
そんな痛みを遠ざけるため
いつしか無感覚になり
あの母親のような1人になるのだろうか