春の匂いがする
ふいに訪れる
今年初めての春のかおりは
毎年、新鮮でどこまでも嬉しい気持ちがする
汚れのない、新しい命の生まれた匂いがする
静謐に、たんぜんと
深くて緻密な情を持っていて
優しい正しさを守るものの放つ気高さ
そういう人の現れが見える
風に乗せられた心意は
春の命に溢れた心は
穏やかな微笑みの心象とともに
新しい命をくれる
今日は一つ素敵であれた
この香りの運んできた心を味わい
同じ心で過ごすひと時
正しい道を
人の言葉によらず
なおく知った
まだ冷たい風の中に
今年最初の、初春の香り
思わずドアをでて
縁側で、しばし佇んでいる
もうすぐ風が暖かくなって
春が来る