うっすらと庭を見ている時に
僕の視線の奥に描かれているのは
整然として密なもの
言葉にすれば万の書
力にすれば命の強さ
深奥を見分けよ

緑の杉苔の絨毯の間に
紅葉の葉が密に散る
どの部分を見ても
うそはこれっぽっちもなくて
陰影すらもおもしろく
木々の重なりもまた、真実だ

木々が重ならず
苔もなく
もみじもなく 石もなく
文明の世界は単調で無表情極まる
街中のカフェでそんなことを思う

ただ緑のそばで座って、眺めていたい
誰にも見られずに
ただひとりで

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です