山と月

生活の中たくさんのものを
そぎ落とされてきた僕に
この木々の隙間に覗く
丸くて明るい黄色の月は
とても柔らかくて
どんな時でも
尊いなにかを、そがれることがなく
奥深いものを教えてくれている

こんな風にあれたらと常に願う
気がつけけば山道で、
うなだれる影を見つける
光が影を色濃くするように
真理はこれを遠ざけるものを鮮明にする
この山の存在感溢れる木のように
あるいはあそこの明るい月のように
この冷たい夜の空気のように
表情のさといものと
同じでありたいものだ

その緻密さに置いて
あるいはその彩りにおいて

月の光が好きです
静かで優しくて
何べん見ても、深いから

 

 

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