芸術に通じるような
味のあることは思いもせずに
生きているたくさんの時間
川の流れはたとえば
「爽やか」という言葉ではけしてなく
常にありのままの発見と印象からできている
こうしたものが子どもたちの本当の栄養で
これを食べて育った子どもたちの心が健やかなのは
とても自然なこと
現代は、そういう自然と切り離された実験場
結果はさんさんたるもので、
気持ちはのっぺらぼうのように目の前のスクリーンと交友の杞憂ばかりを追う
もっともっと複雑で玄妙な
人の心に叶うものを見ることを忘れて過ごす
見たものの分だけ豊かになれる
川がチロチロと流れる場所に
今ひととき この真昼の色の中で
佇んでいたいものだ
我らの心は作業に向かえば作業になり
壁に向かえば壁になる
川に向かえば川になるし
役に向かえば役になる
だから、心がよくあるために
美しいものの結晶に向かえ
絶えず姿を変えていく美
折々に変わりゆく変わらない美
そういうどこまでも複雑で、
決して色あせないものであれ