蛍光灯の白い光はよく知を動かし
情の深化を忘れさせる
香りや、事物の性質を感じさせる色、
時間で染まり行くような、
そのもの自らで深めるような色合いを
単調で明るすぎる光は隠してしまう
大人たちは気付かぬまま
心を手放し続けるうちに
判定者の心にかなう正しさを失い
形骸化した正義が、子らとすれ違う
巧妙な現代に潜む罠
小さくて、大きな綻び
情の深化が理性の強さをうむけれど
理性の華ばかり求め
情のための食べものを
味わいのある光と陰のいろ
草花の匂いや
大気に満ちる時の表情
そういう命のための栄養を
僕らはまだまだ蔑ろにしている
その上に生きる人びとの
互いに生気のないカオ
ほんとうは、そんなものではないはずだ
巧妙な罠は
僕らの社会を蝕んでいる
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