正しいだけの正しさなんか
人間の動物的要素を欠いた詭弁だ
道徳の正体を無視した
うわべだけを繕った惰性だ
同じ正しさを思う人をうなづかせる
その程度の正しさだ
それもなるほど力
ときに大きな時代のうねり
けれどそこに
べつの理念にいきる人を
うなづかせるだけの力量はない
置いていかれるその人たちは
見ないふりか
示しても受け入れぬと
そのひとを軽蔑し責めるのか
否、思い上がり
己の言葉と存在の軽さの因果に過ぎぬ
言葉が形骸でなく
その言葉が1割で
残り9割が己という存在であれば
言葉は音であることを
既にあった言葉であることを脱し
真の姿を指し示す
伝わる重さは万人に対して
例外をとらない
元来真に正しいも正しくないもない
綺麗で汚い土器のような
正しいのと正しくないのと
両手に持ちながら
そこにほんとのカタチがあって
それでも言い放った正しいことが
子等を導く滋味のあることば
滋味にこそ真がやどる
滋味など考えに入れずに
ことばで理想を、美しい心を
伝えようとする大人たちの無知
子供が正しさに染まらんて?
さぼっていたつけです
もっともという僻地に胡座をかいていたつけです