高村光太郎の詩を読みふけり
ずっと目を伏せていたから
上を向くと目が軋んだ
天井でゆっくりと回るプロペラをみながら
目をほぐした
こんなふうに、
目が、体が
錆びついても気がつかないでいくのだろう
敏感に気がつくのは子供だけ
その声はあまりに頼りなく
いつしか常識に糾弾され
かき消されていく
目も体も錆びなければ
知っていますか
心も錆びないのです
現代の闇
人知れぬ闇
音もなく
気づかれもせず
そういうなかで
人々の中で進行する
もっとほぐれて生きていける
ひとらしい自然と豊潤がある
そんないつかどこかの未来を
とりとめもなく祈るのみ