初秋の遊歩道く

遊歩道ただのアスファルト

街路樹の落ち葉の無造作にちらばる美しさ

初秋の夕暮れ

人もまばらに行き交う通りのなかで

初秋の空気の隙間に、ふと静寂をみつけた

すこし肌寒い冷たさが、いつか実を結ぶ理性の種を静かにまいていく

車の音はするのに

道行く人は話をするのに

なぜだか静かだ

チリやホコリのたまった気持ちに

風がすっと通りぬけ

雑音から分かたれて

まるで別の場所にいるように

いまを見ている

もう遠くに来ている

静かな秋の理性が、僕を染めていく

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